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B氏の大津波メモによって、M社は全社をあげてインターネットに進路を定めた。 R氏、E氏、A氏は、この状況をせっせと活用し、1月になると、ダイレクトXの一部の要素をM社が執着するウェブに結合させる方法をさぐるため、一連のブレインストーミングをはじめた。
ビールとソーダ(E氏がウェイトリフティングで背中を痛めたので、3人はもうプロ・クラブでトレーニングをしていなかった)を飲みながら、ウェブ上に高速かつ高品質の3Dグラフィックを持ちこむためのさまざまなアイディアを、すこしずつまとめA氏が、スクリーン上で仮想の風でゆらめく旗、というおおもとのアイディアを思いついた。 だが、この単純な発想は、すぐにもっと大がかりなものへと発展した。
ゲームでの最近の経験から、ビースティ・ボーイズは、共有ブラウザの概念を持ちこんだ。 一群の人びとが、同時にひとつのウェブページを見て、それを操作する。
マルチプレイヤーのコンピュータゲームみたいなもの3人は、ダイレクトXの3Dアニメーション能力を利用したかった。 M社は、ダイレクトXを新しいウィンドウズというOSに組み込み、ウェブに結びつけようとしていた。
3人が考えていたのは、なにか速くて派手なものだった。 彼らが慣れ親しんでいた高速なゲームの世界では、動画は毎秒30フレーム以上あったし、音声も高品質だった。
しかし、3人はインターネット方面の経験がなかった。 ウェブがらみで経験していたことといえば、ニュースグループにメッセージを投稿するとか、社内の電子メールネットワーク(M社の中枢システム)で連絡をとりあうとかいったていどだった。

個人のウェブサイトを開設している者もいなかった。 コンピュータゲームに取り組んだときと同じように、3人はなじみのない分野へ進出しようとしていた。
ゲームの分野でもそうだったように、そこにはいくらでも改良の余地があるように思われた。 さらに、簡単な開発支援シールを追加して、ユーザーが単純な3Dイメージを描き、そこに色や質感や影を付加できるようにすることも考えた。
オーサリングツールの追加により、ブラウザを利用してもっと複雑な3Dイメージをやりとりするというアイディアも出てきた。 人びとがテキストのかわりにイメディアグラフィックでさまざまな概念を伝えるようになれば、「百聞は一見にしかず」ということわざにも、新しいハイテク版の意味が生まれることになる。
A氏のゆらめく旗という例を、彼の想像以上に発展させて、中心的な開発者となっていく新たなテクノロジーの内部へ懸垂下降していく洞窟探検家だ。 R氏の役割はもっと小さかった。

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